遺伝子組換えカイコサービスに関するFAQ集

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ネオシルク®-ヒトコラーゲンIについて
  • 質問
    Q.ネオシルク®-ヒトコラーゲンⅠを細胞培養用の基材として使用することは可能ですか?
  • 回答
    A.培養用ディッシュのコーティング材として使用できます。動物由来成分を含まないため、xeno-free培養にお使い頂けます。ただし、ネオシルク®-ヒトコラーゲンⅠは、三重らせん構造を持たないため、細胞の種類によっては、接着率がやや低下する場合があるようです。また、コラーゲンゲルを形成しませんので、ゲル内培養に用いることはできません。
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タンパク質の発現について
  • 質問
    Q.タンパク質の発現量はどれくらいですか?
  • 回答
    A.発現するタンパク質によって発現量は異なります。抗体(IgG)の場合で、0.3-2.0mg/繭です。
  • 質問
    Q.膜タンパク質や細胞内のタンパク質を発現できますか?
  • 回答
    A.繭にタンパク質を分泌させる発現系であるため、基本的には分泌タンパク質が対象となります。膜タンパク質の細胞外ドメインや細胞内の可溶性タンパク質にシグナルペプチドを連結して分泌発現に成功した例があります。また、膜タンパク質や細胞内タンパク質を絹糸腺細胞に発現させ、絹糸腺からタンパク質を回収することも可能ですが、精製が煩雑になるため、基本的にはお勧めしていません。
  • 質問
    Q.セリシンとの融合タンパク質として発現するのですか?
  • 回答
    A.いいえ。セリシンとは独立のタンパク質として目的タンパク質を発現させます。そのため、酵素で切断して精製する等の工程を必要としません。
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糖鎖について
  • 質問
    Q.糖鎖は付加されますか?付加される場合、その構造についておしえてください。
  • 回答
    A.糖鎖は付加されます。N結合型糖鎖の場合、一般に、昆虫細胞にて合成される糖タンパク質には、パウチマンノース型と呼ばれる短い糖鎖が付加されることが知られています。一方、私達は、カイコの絹糸腺で生産されるタンパク質には、非還元末端にN-アセチルグルコサミンを有する複合型糖鎖が付加されることを見出しました。また、カイコで生産した抗体やフィブリノゲンには、糖鎖基部のコアフコース(α1,3-フコースおよびα1,6-フコース)が存在しないことも明らかにしています。糖鎖にα1,6-フコースを持たない抗体は、高いADCC活性(抗体依存性細胞障害活性)を有することが知られています。
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医薬品製造について
  • 質問
    Q.医薬品製造は可能ですか?
  • 回答
    A.まだ実例はありませんが、基本的に可能であろうと考えています。当社では、フィブリノゲン、ワクチン、抗体医薬等の製造の実現を目指し、GMP対応の製造設備建設を含めて準備を進めています。
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カルタヘナ法について
  • 質問
    Q.生産したタンパク質はカルタヘナ法の対象ですか?
  • 回答
    A.遺伝子組換えカイコの系では、ウイルスを使用しないため、カルタヘナ法の対象となる宿主生物はカイコとなります。繭から抽出したタンパク質には、組換え生物(カイコ)は含まれませんので、カルタヘナ法の対象外です。
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抗体の特異性について
  • 質問
    Q.遺伝子組換えカイコで生産した抗体のアフィニティーや特異性は、ハイブリドーマで生産した抗体と同じですか?
  • 回答
    A.基本的に同等です。
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安定性について
  • 質問
    Q.抽出工程でタンパク質は変性しませんか?
  • 回答
    A.多くのタンパク質は、TritonX-100等の非イオン系界面活性剤を加えた中性緩衝液にて抽出することが可能であり、抽出工程での変性は生じません。タンパク質の種類によっては、稀に、抽出に高濃度の尿素等を必要とするケースがあり、その場合は変性を伴います。
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タグの付加について
  • 質問
    Q.タグの付加は必要ですか?また、どんなタグが適していますか?
  • 回答
    A.目的タンパク質を高い純度で繭から抽出できることが多いため、精製のためのタグの付加は必須ではありません。付加する場合は、His-tag等をお勧めしています。