製品関連 ニュース
- 製品関連2026/02/19
- 【論文紹介】食事性NMNの脂質代謝改善効果 - 肥満・糖尿病モデルマウスを用いた研究
本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。近年、加齢や代謝性疾患に伴うニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD⁺)量の低下が、脂質代謝異常や肥満と関連することが注目されています。これまでの研究では、NAD⁺の前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の補給が、動物実験において抗加齢、抗肥満、抗糖尿病作用を示すことが報告されていますが、飲用水への添加による経口投与や腹腔内投与に基づくものであり、食餌性NMNの効果については十分な知見がありませんでした。
長崎県立大学 看護栄養学部 栄養健康学科 教授 城内文吾 先生らの研究グループは、食餌性NMNが、肥満・糖尿病モデルdb/dbマウスにおいて体脂肪量および高トリグリセリド血症を軽減することを初めて報告しました。
本研究では、標準AIN-76飼料を基に、脂質代謝異常の早期発症を誘導する条件として、コーン油7%、コレステロール0.1%含む飼料を用い、そこにNMNを0.5%添加しました。5週齢の雄性db/dbマウスを用い、NMN群および対照群に分け、摂食量を揃えたペアフィーディング条件下で4週間飼育し、代謝への影響を検討しました。
その結果、NMN群では、肥満度評価に用いられるLee index(Lee指数)ならびに体脂肪の蓄積が有意に抑制されました。また、NMN群では肝臓へのトリグリセリド(TG)蓄積が軽減し、血漿TG濃度の上昇も有意に抑制されました。呼吸ガス分析の結果から、食餌性NMNが糖質の燃焼を抑え、脂肪の燃焼を増加させることにより、エネルギー消費量を有意に増大させることが示されました。さらに、NMN群では肝臓におけるFAS(fatty acid synthase)活性が有意に低下し、CPT(carnitine palmitoyltransferase)活性が有意に増加したことから、脂肪酸合成の抑制および脂肪酸β酸化の亢進が、肝臓TG減少ひいては血漿TG上昇の抑制に寄与することが示唆されました。
また本研究では、T-Cadherin(脂肪細胞分泌因子であるアディポネクチンと結合することが知られ、アディポネクチン作用の標的の一つとされるタンパク質)についても評価しており、食餌性NMNにより、血漿中の可溶性T-Cadherin(100kDaおよび130 kDa)濃度が有意に上昇し、血漿アディポネクチン濃度との有意な正の相関が認められました。これらのことから、NMN摂取による肝臓脂肪酸β酸化の亢進には、アディポネクチン濃度の上昇を介したマロニルCoA の低下が協調的に関与している可能性が示されました。
本研究は、食事性NMNが脂肪燃焼優位のエネルギー代謝を促進する新たな知見を提供する、意義深い報告です。今後、食餌性肥満モデル動物やヒト臨床試験における検証を通じて、栄養介入への展開が期待されます。
詳しくは下記よりご参照ください。
Bungo Shirouchi et al.
Dietary Nicotinamide Mononucleotide, a Key NAD+ Intermediate, Alleviates Body Fat Mass and Hypertriglyceridemia by Enhancing Energy Expenditure with Promotion of Fat Oxidation and Hepatic Lipolysis and Suppressing Hepatic Lipogenesis in db/db Mice
Metabolites. 2025; 15(5):333.
当社ではT-Cadherinを含む脂質代謝関連の ELISAキット を豊富に取り揃えており、検査サービス も行っております。
■T-Cadherinについて
T-Cadherin(カドヘリン, 略称:T-cad)は、脂肪細胞分泌因子アディポネクチンと結合するタンパク質です。アディポネクチンはT-cadを介して心血管や骨格筋、間葉系幹細胞などに集積し、エクソソーム産生を促進し、臓器保護に寄与すると考えられています。また、T-cad遺伝子近傍のSNPsは耐糖能異常や心血管疾患リスクと強く関連します。
近年、T-cadが可溶型としてヒト血中に存在し、130kDa・100kDa・30kDaの3種類があることが明らかになりました。これらの可溶型T-cadは2型糖尿病患者の臨床パラメータと相関し、心筋梗塞の急性期には130kDa・100kDaが急激に低下することが報告されており、新規バイオマーカーとして期待されています。さらに、可溶型T-cadには膵β細胞の増殖促進とインスリン分泌能低下の抑制作用が見出され、液性因子としての機能にも注目が集まっています。
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