製品関連 ニュース
- 製品関連2026/06/12
- 【論文紹介】慢性閉塞性肺疾患(COPD)におけるフレイルと筋障害の関連:尿中N-Titinの有用性
本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は気流制限を特徴とする呼吸器疾患であると同時に、身体機能低下や活動性低下を伴う全身性疾患として知られています。とくにフレイル(虚弱)のリスクが高く、転倒や入院、死亡率の上昇と関連することが報告されていますが、フレイル評価は、歩行速度や握力、問診などの機能評価に依存しており、日常診療で簡便に利用可能な客観的かつ定量的な指標は十分に確立されていない状況です。近年、筋障害の非侵襲的な指標として尿中N-Titinが注目されていますが、COPDにおけるフレイルとの関連は明らかではありませんでした。
群馬大学大学院 保健学研究科 リハビリテーション学講座 古田島郁弥 先生 と 久田剛志 教授らの研究グループは、外来安定期患者50例(COPD 27例、喘息23例)を対象に、COPDにおける筋障害の評価指標として、尿中N-Titinとフレイルとの関連性について横断観察研究を実施しました。
本研究では、フレイルは日本版Cardiovascular Health Study(J-CHS)基準により評価し、尿中N-TitinはELISAで測定、クレアチニン補正値(N-Titin/Cr)として解析しました。さらに、肺機能(FEV1)、歩行速度、血清クレアチンキナーゼ(CK)との関連について、相関解析、多変量解析、ROC解析を行いました。
その結果、尿中N-Titin/Crについて主に以下のことが示されました。
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・COPD患者では喘息患者に比べて有意に高値
(中央値7.6 vs 4.7 pmol/mg Cr, p=0.001)
CKでは有意差なし(p=0.284)
・COPD患者においてフレイル群が非フレイル群よりも有意に高値
(中央値15.9 vs 7.0 pmol/mg Cr, p=0.037)
喘息患者では傾向なし
・J-CHSスコアと正相関(rs=0.31)、歩行速度(rs=−0.44)およびFEV1(rs=−0.35)と負相関
⇒ 筋機能・呼吸機能・フレイル指標と関連
・多変量解析においても、J CHSスコアに独立して関連(β=4.38, p=0.004)
・ROC解析ではAUC 0.75、カットオフ14.3 pmol/mg Cr、特異度94.4%、感度55.6%
⇒ 中等度の識別能あり
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本研究は、尿中N-TitinがCOPDにおけるフレイルと関連し、筋障害の一側面を反映する可能性を示した意義深い報告です。COPDでは、低活動、低酸素、慢性炎症などにより筋タンパク分解が持続し、筋線維タイプの変化やミトコンドリア機能障害、ユビキチン・プロテアソーム系の活性化が生じることが知られています。これらの機序を背景にTitin分解が進む可能性があり、尿中N-Titinの上昇および検出につながることが示唆されました。
尿中N-Titin/Crは非侵襲的かつ定量的に測定可能であり、CKでは捉えにくい慢性的な筋障害を反映し、COPDにおけるフレイル評価を補完する補助的バイオマーカーとなり得ます。
J-CHSなどの既存法と併用することが想定され、今後はリハビリテーションや栄養介入に伴う筋状態変化について、縦断研究での検証が期待されます。
詳しくは下記よりご参照ください。
Fumiya Kotajima et al.
Urinary N-terminal titin fragment as a supplementary marker for frailty in chronic obstructive pulmonary disease
Fumiya Kotajima et al. Urinary N-terminal titin fragment as a supplementary marker for frailty in chronic obstructive pulmonary disease Respir Investig. 2026; 64(4):101445.
当社では N-Titin を含む老化研究関連 ELISAキット を豊富に取り揃えており、検査サービス も行っております。
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