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製品関連2017/01/12
ループス腎炎のバイオマーカーとして期待!尿中の切断型オステオポンチン(Osteopontin : OPN)
ループス腎炎のバイオマーカーとして期待!尿中の切断型オステオポンチン(Osteopontin : OPN)

下記の論文にて、尿中のオステオポンチン (OPN) N-Halfがループス腎炎 (LN)の新規バイオマーカーになりうることが示唆されています。Cleaved Form of Osteopontin in Urine as a Clinical Marker of Lupus Nephritis. Kitagori K et al. PLoS One. 2016; 11(12): e0167141.

京都大学 免疫・膠原病内科、三森経世教授らのグループは、OPN full及びOPN N-Half、それぞれに特異的なELISA測定系によりLN患者の検体を測定し、バイオマーカーとしての可能性を検討しました。

SLE患者56例(内、LNを伴う例:29例、LNを伴わない例:27例)、IgA腎症(IgAN)14例、微少変化ネフローゼ症候群5例、糖尿病性腎症(DN)14例、健常人(HC)17例について調べた結果、尿中OPN full は各群間で差が認められませんでした。

一方、尿中OPN N-half濃度は、LN患者ではHCより高く、さらに、高タンパク尿のLN患者は低タンパク尿LN患者、及び高タンパク尿のDN患者よりも高いという結果でした。尿中のトロンビン活性はOPN N-Half濃度と相関していました。これらの結果から、尿中OPN N-Half濃度は腎臓の炎症を反映しており、LNの新規バイオマーカーになりうることを示唆しています。

詳しくは、原文をご覧ください。
Learn more about the study from the original publication below.
Cleaved Form of Osteopontin in Urine as a Clinical Marker of Lupus Nephritis. Kitagori K et al. PLoS One. 2016; 11(12): e0167141.


下記の当社製品が本論文に使用されております。
#27158 Human Osteopontin Assay Kit – IBL
#27258 Human Osteopontin N-Half Assay Kit – IBL

ループス腎炎(Lupus Nephritis : LN)とは
ループス腎炎(LN)とは、自己免疫疾患の一つである全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematodes: SLE)患者の多くに見られる疾患で、自己抗体の複合体が腎臓の糸球体に沈着して炎症を引き起こす病気です。タンパク尿や血清クレアチニン量がマーカーとして用いられていますが、種々の腎疾患との鑑別のために新しい有効なマーカーが望まれています。

オステオポンチン Osteopontin(OPN)とは
オステオポンチン Osteopontin(OPN)とは、骨芽細胞、マクロファージ、活性化T細胞、遠位尿細管内皮細胞などが作る液性因子で、骨吸収、免疫応答などに重要な役割を果たしており、SLEの病態生理学においても重要な因子であると考えられます。OPNは中央部にトロンビン切断部位を持つため、全長OPN(OPN full)と切断型OPN(OPN N-Half)が存在します。

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