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製品関連2015/09/09
NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の診断に有効な新しいグライコバイオマーカー!
非アルコール性脂肪性肝疾患(Nonalcoholic fatty liver disease, NAFLD)は、近年、患者数が増えてきており、NAFLD患者から非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis, NASH)を識別することは臨床上非常に重要であります。

現在は、NASHの診断には肝生検による組織学的検査が主に行われていますが、患者への負担を考えると、非侵襲性の信頼できるバイオマーカーが切望されています。

「2種類のグライコバイオマーカー、fucosylated haptoglobin (Fuc-Hpt) 、及び Mac-2 binding protein (Mac2bp) を用いた非アルコール性脂肪肝炎のための新規非侵襲性診断方法の開発」 Kamada et al. Hepatology. 2015 Jul 21.

本論文では、2種類のグライコバイオマーカー、fucosylated haptoglobin (Fuc-Hpt) 、及び Mac-2 binding protein (Mac2bp) を用いた非アルコール性脂肪肝炎のための新規非侵襲性診断方法の開発について報告しています。
(上記のデータは、大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 機能診断科学講座(分子生化学教室)三善英知教授よりご提供いただきました。)

本研究では、Fuc-Hptが風船様肝細胞の予想に、Mac2bpが肝の線維化の診断に有効であることを124人の肝生検で診断されたNAFLD患者群において確認しています。さらに、この2つを組み合わせることで、ROC解析の結果、ROC曲線の面積:0.854、感度:81.1%、特異度:79.3%と、高い性能でNASHを診断することが可能でした。

さらに、ロジスティック回帰分析を用いてNASH診断の予想モデルを構築し、382人の肝生検で診断されたNAFLD患者群を調べた結果、 ROC曲線の面積:0.844, 感度: 71.4% 、特異度:82.3% と非常に好成績でした。

これらの結果から、血清中のFuc-Hpt と Mac2bp のコンビネーションはNAFLD患者からNASH患者を識別することが可能であり、この我々が開発した2種類のグライコバイオマーカーを用いた非侵襲性の診断方法は肝生検に替わる新しいNASHの診断方法になりえるものと期待されます。

本論文では、当社の製品27362 Human Mac-2 binding protein (Mac-2bp) Assay Kit – IBLが使用されています。

原文は下記リンクよりご覧ください。
A novel noninvasive diagnostic method for nonalcoholicsteatohepatitis using two glycobiomarkers.
Kamada Y, Ono M, Hyogo H, Fujii H, Sumida Y, Mori K, Tanaka S, Yamada M, Akita M, Mizutani K, Fujii H, Yamamoto A, Takamatsu S, Yoshida Y, Itoh Y, Kawada N, Chayama K, Saibara T, Takehara T, Miyoshi E.
Hepatology. 2015 Jul 21. doi: 10.1002/hep.28002. PMID:26199205


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