• ホーム >
  • IBLニュース一覧 >
  • IgA腎症の治療薬として開発中の抗APRILモノクローナル抗体(VIS649)に関する論文紹介

IBL ニュース

製品関連 ニュース

製品関連2023/08/17
IgA腎症の治療薬として開発中の抗APRILモノクローナル抗体(VIS649)に関する論文紹介

新文献 本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。

米国のVisterra社を中心とするグループは、APRILと呼ばれるサイトカインを阻害するモノクローナル抗体(VIS649)をIgA腎症の治療薬として開発を進めています。
今回、51人の成人健常者を対象としたPhase I試験の結果を報告しました。
 

VIS649の安全性とともに、Gd-IgA1が減少することを確認

本研究はVIS649の安全性、忍容性および薬物動態・薬力学を調査する目的で健常者を対象に実施されました。その中で、VIS649を投与することによりGd-IgA1が減少することが報告されました。

このことはIgA腎症の治療に向けた大きな一歩と考えられます。
IgA腎症は発症メカニズムが複雑であり、現在「マルチヒット仮説」が広く受け入れられています。マルチヒット仮説とは、複数の過程が進行することでGd-IgA1を含む免疫複合体が形成され、腎臓の糸球体に沈着することでIgA腎症が発症すると考える説です。
この説の中ではGd-IgA1の血中レベルの増加がマルチヒットの一つとして挙げられている為、血中Gd-IgA1の減少は、IgA腎症の発症を防ぐ効果があると考えられます。

VIS649のPhase I 試験に関して詳しくは下記原文をご参照ください。  

APRILをターゲットにしたさまざまな研究

APRILは、粘膜におけるIgAのクラススイッチやGd-IgA1の産生細胞であると考えられているプラズマ細胞の成熟に関与し、APRILの血中濃度がIgA腎症の予後に相関があると報告されるなど、IgA腎症とのかかわりが議論されているサイトカインです。

上記研究論文は、健常者を対象にVIS649が投与されておりますが、Chinook Therapeutics社が開発中の抗APRILモノクローナル抗体(BION1301)については、IgA腎症患者を対象としたPhase I/II試験が実施されており、Gd-IgA1の減少に加えて、タンパク尿が減少することも報告されています。

また、APRILやBAFFを抑制するTACI-IgG Fc融合タンパク質であるAtaciceptについては、患者に投与するとGd-IgA1が減少し、さらにタンパク尿の減少と、プラセボに加えて腎機能が維持することも報告されています。

Ataciceptに関して詳しくは下記原文をご参照ください。
このように、APRILを抑制することを特徴とするIgA腎症の新しい治療薬の開発が活発に進んでいます。
 

IgA腎症について

IgA腎症は、世界的に最も一般的な原発性糸球体腎炎で、世界的な有病率は成人10万人あたり年間2.5人で、末期腎不全(ESRD)の最初の原因の一つであり、特異的かつ因果関係のある治療戦略は開発されておらず、発症後10~20年以内に30~40%の症例でESRDに至るとされています。

予後予測に有用な疾患特異的バイオマーカーや、最新の病態形成過程を標的とした治療アプローチが、世界中で進行中の臨床試験で評価されています。本疾患の理解には多大な進歩が見られるが、解明が必要な疑問がまだ数多く残っていると報告されています。

IgA腎症に関して詳しくは下記原文をご参照ください。

ご紹介した では、Gd-IgA1の測定に当社の下記ELISAキットが使用されています。
正確なデータで有用な治療薬の開発に、IBLも貢献していきます。

【関連製品】
#10777 Anti-Human Gd-IgA1(KM55) Rat IgG MoAb

皆様の研究活動にお役立て頂ければ幸いです。
お気軽にお問合せください。

株式会社免疫生物研究所

抗体関連事業本部 営業部
TEL: 0274-50-8666
Email: do-ibl@ibl-japan.co.jp

株式会社免疫生物研究所(IBL)~抗体開発への想い(社長メッセージ)~
株式会社免疫生物研究所(IBL)~抗体開発への想い~
LipoSEARCH® - リポタンパク質詳細分析 (特許取得済み GP-HPLC Systems)