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製品関連2023/09/05
LipoSEARCH 20周年 活用事例紹介
LipoSEARCH 20th Anniversary
LipoSEARCH🄬は2023年7月で20周年を迎えました!

LipoSEARCH🄬は、岡崎三代先生のGP-HPLC法を技術基盤としたリポタンパク質詳細分析サービスです。
2003年7月に株式会社スカイライト・バイオテックが事業化し、2021年11月に当社が事業を継承して現在に至ります。
LipoSEARCH🄬は医学、薬学、栄養学、獣医学などの研究領域で活用され、550報を超える学術論文への掲載実績があります。また、新薬の非臨床試験、臨床開発試験、トクホ試験での採択実績が多数あります。
本ページではLipoSEARCH🄬の原理や特徴、活用実績についてご紹介します。
 

岡崎三代先生
*東京医科歯科大学名誉教授
*日本油化学会フェロー
*株式会社免疫生物研究所 LipoSEARCH®技術顧問

 

LipoSEARCH🄬の原理とデータ項目


  血清/血漿をGP-HPLCに供し、リポタンパク質を分離します。ポストカラムの酵素反応により各分画のコレステロールおよび中性脂肪のクロマトグラムを取得し、専用プログラムを用いた解析により下記の詳細データをご提供します。
  Cholesterol
[mg/dL]
Triglyceride
[mg/dL]
Particle size
[nm]
Particle number
[nM]
Total - -
CM
VLDL
LDL
HDL
VLDL subclasses -
LDL subclasses -
HDL subclasses -
 
 

LipoSEARCH🄬の特長と利点


LipoSEARCH🄬には様々な特徴と利点があります。

 

  • 少量の血清・血漿サンプル(ヒト45µL、動物35µL)で分析可能
        培養上清や脳脊髄液などの低濃度サンプルも分析可能
  • サンプルの前処理などが不必要
  • 動物種を問わない
        ヒトやマウス、ウサギ、サル、ウシ、オウム、トカゲ、メダカなど様々な実績あり
  • リポタンパク質の網羅的な評価が可能
        主要分画(CM、VLDL、LDL、HDL)と詳細20分画を解析可能
        HDLやLDLなどの粒子の大きさ、数量まで解析可能
  • 薬剤などに反応するリポタンパク質分画および脂質を特定可能

 


LipoSEARCH🄬は測定原理が明確なため、高い再現性と定量性があります。
紹介動画もございますので是非ご覧ください。

 

LipoSEARCH🄬の活用事例


先述の通りLipoSEARCH🄬は数多くの採択実績があり、学術論文へは550報を超える掲載実績があります。掲載論文につきましては以下参考文献リンクにて紹介しておりますが、その中からいくつかの事例をご紹介します。
LipoSEARCH🄬 参考文献
 

ペマフィブラートP2試験における
リポタンパク質分析(GP-HPLCとNMRの比較)(ヒト)

 脂質異常症患者212名を対象としたぺマフィブラート(選択的PPARαモジュレーター)のPII臨床試験の検体において、GP-HPLC法(LipoSEARCH®)とNMR法によるリポタンパク質粒子数を比較しました。その結果、リポタンパク質の主要な分画である総CM・VLDL、総LDL、総HDLにおいて解析結果に正の相関が得られた一方で、サブクラスの粒子数は2つの手法で異なっていました。
 GP-HPLC(LipoSEARCH®)は、NMRよりも正確にリポ蛋白質粒子数を評価し、リポ蛋白質サブクラスに対する脂質低下薬の効果を評価するために有用であると結語されています。
Distinct Differences in Lipoprotein Particle Number Evaluation between GP-HPLC and NMR: Analysis in Dyslipidemic Patients Administered a Selective PPARα Modulator, Pemafibrate. Yamashita S et al. J Atheroscler Thromb. 2021 Sep 1;28(9):974-996.

 

リポタンパク質サブクラスと総頸動脈最大IMTの関係(ヒト)

 日本人の男女864人(平均年齢57歳、慢性肝疾患または腎疾患がない、脂質低下薬・ホルモン補充薬・副腎皮質ステロイド薬を服用していない)を対象に、GP-HPLC法(LipoSEARCH®)を用いてリポタンパク質サブクラスのコレステロールおよびトリグリセリド含量を分析しました。単変量および多変量回帰分析、単変量および偏相関分析を行い、リポタンパク質サブクラスと総頸動脈最大IMTとの関係を検討しました。
 Smallおよびmedium LDL-Cの上昇は、男女ともに総頸動脈最大IMTの上昇と相関していました。この結果は、Smallおよびmedium LDL-Cが動脈硬化性疾患の重大な危険因子であるという概念を支持しています。
Relationship between the cholesterol and triglyceride content of lipoprotein subclasses and carotid intima-media thickness: A cross-sectional population-based study. Ikezaki H et al. Clin Chim Acta. 2023 Aug 17;548:117521.

 

脂質異常症および関連疾患に有効な抗ANGPTL3ペプチドワクチン(マウス)

 この論文では、ANGPTL3のアミノ酸配列から選択した10アミノ酸を標的としたペプチドワクチンをデザインし、脂質異常症および関連疾患モデルマウスに実施しました。
 この結果、ANGPTL3ペプチドワクチンは、肥満に伴う脂質異常症や脂肪肝、家族性高コレステロール血症における脂質異常症や動脈硬化症を改善することが示されました。本ワクチンの治療効果の持続期間に関しては、ワクチン接種後30週間目の解析では効果が持続しており、本ワクチンの副反応に関しては、投与したマウスにて大きな細胞傷害性自己免疫反応は観察されなかったと報告しました。
 本論文において、ANGPTL3ペプチドワクチンが脂質異常症とその関連疾患に対する有効な治療戦略となる可能性が示唆されました。
Vaccine targeting ANGPTL3 ameliorates dyslipidemia and associated diseases in mouse models of obese dyslipidemia and familial hypercholesterolemia. Fukami H et al. Cell Rep Med. 2021 Nov 16;2(11):100446.

 

エクセンディン-4(GLP-1受容体作動薬)のコレステロール低下作用(マウス)

 この論文ではエクセンディン-4をLdlr−/−マウスとC57BL/6Jマウスに5日間投与し、血清リポタンパク質プロファイル、コレステロール代謝関連遺伝子発現、蛋白質レベルなどを評価しています。
 この結果、エクセンディン-4投与は、両マウス系統において、VLDL-C、LDL-C、肝成熟型SREBP2を有意に低下させ、肝Insig1/2 mRNAの発現を増加させました。Ldlr−/−マウスでは、肝コレステロール値、糞便中胆汁酸排泄量、肝Cyp7a1 mRNA発現の減少、小腸Fgf15 mRNA発現の増加も有意にみられました。また、C57BL/6Jマウスでは、小腸のNPC1L1濃度が有意に低下しました。これらのことからエクセンディン-4がLDL受容体とは無関係に血清コレステロールレベルを調節しており、両マウス系統にて異なるメカニズムでコレステロール吸収を低下させる可能性があることが示されました。
 GLP-1受容体作動薬は、LDL受容体活性が欠失した2型糖尿病および家族性高コレステロール血症患者に対する治療オプションとなり得ると結語されています。
Acute Cholesterol-Lowering Effect of Exendin-4 in Ldlr-/- and C57BL/6J Mice. Hori M et al. J Atheroscler Thromb. 2023 Jan 1;30(1):74-86.


正確なデータで有用な治療薬の開発に、IBLも貢献していきます。

本IBLニュースで紹介している当社のサービスは、研究用であり、診断や医療目的に用いることはできません。

【関連サービス】

細胞培養上清中の脂質プロファイル解析「LipoCULTURE」
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動物病院様向け動物医療支援検査サービス「LipoTEST」
LipoTEST



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