IBL ニュース

製品関連 ニュース

製品関連2026/01/13
【論文紹介】血中ANGPTL3濃度と冠動脈プラーク石灰化との関連性
本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。
 
 アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)は肝臓由来の分泌タンパク質であり、リポタンパク質リパーゼ(LPL)や内皮リパーゼ(EL)を阻害することで、血中TGやLDL-Cを上昇させる作用があります。これまでの研究では、ANGPTL3の高値がアテローム性動脈硬化の進展に関与する可能性が示唆されていましたが、プラークの石灰化との直接的な関係は明らかではありませんでした。

 国立研究開発法人国立循環器病研究センター病院 心臓血管内科 片岡 有 先生 らの研究グループは、光干渉断層法(Optical Coherence Tomography:OCT)ガイド下で経皮的冠動脈インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention:PCI)を施行された冠動脈疾患(CAD)患者58名(急性冠症候群(ACS):23名、安定CAD疾患:35名)を対象に、冠動脈プラーク石灰化の程度と血中ANGPTL3濃度との関連性について解析しました。
 
(CJC Open. 2025 12;7:1204-1213.より)

 この結果、ANGPTL3濃度が高いほど最大石灰化アークおよび石灰化長が有意に増加することが分かりました。
 ・最大石灰化アーク:r=0.672, P<0.001
 ・石灰化長:r=0.561, P<0.001

 この相関は、ACS患者および安定CAD患者のそれぞれの群においても一貫して認められました。さらに、年齢・性別を調整した多変量解析においても、ANGPTL3濃度は最大石灰化アークおよび石灰化長に対する独立した予測因子であることが示されました。
 ・最大石灰化アーク:β = 0.143, P < 0.001
 ・石灰化長:β = 0.013, P < 0.001

 ROC解析では、ANGPTL3濃度が 410.9 ng/mL以上であることが高度石灰化を予測する最適なカットオフ値とされ、特に、ANGPTL3高値(≥ 410.9 ng/mL)かつ推算糸球体濾過量(eGFR)低値(≤ 65.2 mL/min/1.73m²)の患者では、非責任病変における高度石灰化の頻度が46.2%と有意に高いことが確認されました。
 本研究は、血中ANGPTL3濃度が冠動脈プラークの石灰化と関連する独立した因子であることを示しており、ANGPTL3がCAD患者における潜在的な治療標的となり得る可能性を示唆しています。因果関係のさらなる解明に向けて、今後はより大規模かつ多施設での検証的研究が期待されます。本研究論文は、ANGPTL3と冠動脈プラーク石灰化との関連を示した、先駆的かつ意義深い報告です。

詳しくは下記よりご参照ください。
Yu Kataoka et al.
Circulating Angiopoietin-Like Protein 3 Level and Plaque Calcification: An Optical Coherence Tomography Imaging Analysis
CJC Open. 2025 12;7:1204-1213.


本研究論文では、ANGPTL3の測定に弊社のELISAキットが使用されています。
27750 Human ANGPTL3 (highly sensitive) Assay Kit - IBL

当社では脂質代謝関連の ELISAキット を豊富に取り揃えており、検査サービス も行っております。

■ANGPTL3について
 アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)は肝臓より分泌され、脂質代謝や血管新生に関わるホルモン様のタンパク質です。血管新生に関わるアンジオポエチンファミリーと構造的に類似し、coiled-coilドメインとフィブリノーゲン様ドメインを有しますが、Tieファミリーとの結合は認められていません。ANGPTL3はLXRにより遺伝子発現制御を受けることも知られており、新たな分泌因子として注目されています。

皆様の研究活動にお役立て頂ければ幸いです。
お気軽に お問合せ ください。

株式会社免疫生物研究所
抗体関連事業本部 営業部
TEL: 0274-50-8666
Email: do-ibl@ibl-japan.co.jp
 

株式会社免疫生物研究所(IBL)~抗体開発への想い(社長メッセージ)~

株式会社免疫生物研究所(IBL)~抗体開発への想い~

LipoSEARCH® - リポタンパク質詳細分析 (特許取得済み GP-HPLC Systems)