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製品関連2021/03/26
透析患者におけるFGF21とPEWの関連性

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本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。

オランダのフローニンゲン大学病院の内科学 S.Bakker教授率いる研究グループは、透析患者59名において、血漿中FGF21と、蛋白摂取、筋量、活力・疲労度の関連性について評価、および報告しました。

結果、下記の3点について明らかにしました。

(1) 低蛋白摂取(0.9g/kg/24h未満)であった患者では、蛋白摂取が十分であった患者に比べ、血漿中FGF21は約2倍高かった。
(2) 血中FGF21高値は、低蛋白摂取と高い関連性があった。(Odds Ratio:3.18 [1.62-7.95] ; P=0.004)
(3) 血中FGF21高値は、少ない筋量、低い活力、高い疲労度と関係していた。

【論文データ】
透析患者 59 名 (年齢 65 ± 15 歳, 男性 63% ) における血漿中FGF21 濃度と、蛋白摂取、骨格筋量

【出典】
Post A et al. Fibroblast growth factor 21 and protein energy wasting in hemodialysis patients. Clin Nutr. 2021 Feb 3:S0261-5614(21)00063-7. 

PEW (Protein-energy wasting) とは
PEWとは、体たんぱく質(骨格筋・血中のたんぱく質)やエネルギー源(体脂肪)の貯蓄量の減少をともなう低栄養状態であり、維持透析患者において罹患、死亡のリスク要因として注目されています。

FGF21とは
FGF21は生体における飢餓や寒冷刺激、Ketogenic diet(低炭水化物、高蛋白食)他への応答、アゴニストや変異体による抗糖尿病・抗肥満作用などが知られていますが、透析患者において、FGF21とPEWの関係に着目した報告はこれまでありませんでした。

本報告では、透析患者の血中FGF21は、低蛋白摂取、筋量低下、活力低下、疲労度と関連し、透析患者において、蛋白摂取と低栄養状態(PEW)を評価できる指標となる可能性があると結語されています。

本論文では、血漿中FGF21の測定に、当社 #27997 Human FGF21 Assay Kit - IBLが使用されています。

皆様の研究活動にお役立て頂ければ幸いです。

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