• ホーム >
  • IBLニュース一覧 >
  • アンジオテンシノーゲンをターゲットとするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる新規降圧薬の開発に関する論文紹介

IBL ニュース

製品関連 ニュース

製品関連2023/12/22
アンジオテンシノーゲンをターゲットとするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる新規降圧薬の開発に関する論文紹介
本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。

米国のIonis Pharmaceuticals社を中心とするグループは、アンジオテンシノーゲン(AGT)をターゲットとするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)による降圧薬(IONIS-AGT-LRx)の開発を進めており、高血圧患者を対象としたPhase II試験においては、血中のAGTレベルを減少させ、最高血圧および最低血圧を優位に低下させることが示されました。

詳細は下記原文を参照ください。
IONIS-AGT-LRxは、ヒトAGT mRNAの3’非翻訳領域をターゲットとする20merのASOに3分子のGalNAcが結合された化合物です。GalNAcが肝細胞膜上に存在するアシアロ糖タンパク質レセプターに結合し、これを足がかりに肝細胞に取り込まれます。次にAGT mRNAに結合し、RNase HによるmRNAの分解を誘導し、最終的に肝細胞特異的にAGT合成を抑制します。腎臓におけるAGT合成はほとんど抑制しないため、高カリウム血症や腎障害などの副作用を引き起こしにくいとされています。

また、ACE阻害薬(ACEI)やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)などの既存のレニン‐アンジオテンシン系(RAS)阻害薬では、負のフィードバックにより、アンジオテンシンIIが増加し、結果的に薬の効果が減弱するRAS escapeと呼ばれる現象が知られていますが、アンジオテンシンIやIIの前駆体であるAGTをターゲットとする本降圧薬では、RAS escapeが起こらず、ACEIやARBに耐性がある患者にも効果があるとされています。

ASO以外にも、米国のAlnylam Pharmaceuticalsでは、siRNAによりAGT合成を抑制する降圧薬の開発も進めており、いわゆるニューモダリティーによる新しい降圧薬の登場に期待が寄せられています。


当社では、AGTを測定する下記ELISAキットを販売しています。

<Total Angiotensinogen Assay kit>
#27412 Human Total Angiotensinogen Assay Kit - IBL
#27103 Mouse Total Angiotensinogen Assay Kit - IBL
#27104 Rat Total Angiotensinogen Assay Kit - IBL

<Intact Angiotensinogen Assay kit>
#27742 Human Intact Angiotensinogen Assay Kit - IBL
#27105 Mouse Intact Angiotensinogen Assay Kit - IBL
#27106 Rat Intact Angiotensinogen Assay Kit - IBL
 
当社のAGT ELISAキットは、腎臓内RAS活動性をモニターすることができる尿中AGTの測定等にも多数の研究・治験で用いられており、大変定評があるELISAキットです。

RASの過剰な活性化は、高血圧を引き起こすのみならず、腎疾患や心疾患の悪化要因でもあります。

当社のAGT関連製品を、皆様のRAS研究にお役立ていただければ幸いです。


お気軽にお問合せください。

株式会社免疫生物研究所

抗体関連事業本部 営業部
TEL: 0274-50-8666
Email: do-ibl@ibl-japan.co.jp

株式会社免疫生物研究所(IBL)~抗体開発への想い(社長メッセージ)~

株式会社免疫生物研究所(IBL)~抗体開発への想い~

LipoSEARCH® - リポタンパク質詳細分析 (特許取得済み GP-HPLC Systems)