製品関連 ニュース
- 製品関連2024/09/12
- 【科学研究報告】様々な筋障害性疾患等のバイオマーカーとして有用なTitin N末端フラグメント
本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。
Titin N末端フラグメントに関して、様々な研究論文が発表されていますのでご紹介いたします。
Titin N末端フラグメント(N-Titin)は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者の尿と健常者尿のプロテオーム解析から、DMD患者の尿中において特異的に検出されるバイオマーカーとして同定されました(PMID: 24813925)。
その後、当社を含む研究グループにより、尿検体からN-Titinを検出するELISAキットが開発されました(PMID: 27991570)。
下記表のとおり、ELISA法により筋障害/筋萎縮を呈する様々な疾患または生理状態と尿中N-Titinとの関連性が調査され、尿中N-Titinが、これら疾患・生理状態のバイオマーカーとして有用であることが研究報告されています。
Titin N末端フラグメントに関して、様々な研究論文が発表されていますのでご紹介いたします。
Titin N末端フラグメント(N-Titin)は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者の尿と健常者尿のプロテオーム解析から、DMD患者の尿中において特異的に検出されるバイオマーカーとして同定されました(PMID: 24813925)。
その後、当社を含む研究グループにより、尿検体からN-Titinを検出するELISAキットが開発されました(PMID: 27991570)。
下記表のとおり、ELISA法により筋障害/筋萎縮を呈する様々な疾患または生理状態と尿中N-Titinとの関連性が調査され、尿中N-Titinが、これら疾患・生理状態のバイオマーカーとして有用であることが研究報告されています。
疾患・身体状態等 | 論文 PMID | |
---|---|---|
筋ジストロフィー | デュシェンヌ型筋ジストロフィー | 38229112, 36871413, 33046751, 30053403, 29870683, 29175173, 27991570 |
ベッカー型筋ジストロフィー | 32859695 | |
筋強直性ジストロフィー | 37291994, 29870683 | |
肢帯型筋ジストロフィー | 29870683 | |
福山型筋ジストロフィー | 33563515 | |
心疾患 | 急性心筋梗塞 | 38203744 |
拡張型心筋症(予後予測) | 29523227 | |
周術期の心筋損傷 | 30800662 | |
脳神経疾患 | 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) | 33737450 |
脳卒中後の筋萎縮 | 33360523 | |
その他疾患等 | 播種性血管内凝固症候群 | 36565648 |
乳児の代謝状態(異化状態)の把握 | 34274960 | |
ICU-AW | 34863251, 32706557, 32968587, 32345334 | |
サルコペニア | 37322176, 33802012, 32866763, 31862937 | |
運動誘発性筋損傷 | 36523897, 33722155, 33337691, 32132835, 31928880, 38045754 |
尿中N-Titinのメリットの一つは、検体採取の非侵襲性にあります。筋ジストロフィー等の診断には、侵襲的な筋肉生検や血液検査がおこなわれていますが、例えば、小児においては採血ですら困難な場合があります。
文献(PMID: 30053403)では、3歳児の尿を用いて、N-TitinがDMD患者を見つけ出すバイオマーカーとして機能するかどうか検証されており、その結果、尿中N-titinは小児でも容易に測定できる非侵襲バイオマーカーとなり得ることが研究報告されています。
また、尿中N-Titinは、バイオマーカーとしての精度についても優位性があることが研究報告されています。例えば、文献(PMID: 29870683)では、筋ジストロフィーと心筋症を区別するバイオマーカーとして、尿中N-Titinの可能性が調査されています。心筋症患者の中には、筋ジストロフィーが基礎疾患として存在しているにもかかわらず、筋力低下などの全身症状が顕著でない場合に、筋ジストロフィーの合併が見過ごされるケースがあります。 本論文では、ROC分析により、筋ジストロフィーと心筋症を区別する精度が調べられています。クレアチニンで補正したN-Titin濃度を用いた場合のAUC値(筋ジストロフィーと心筋症を区別する精度を示す値)が0.92であったのに対し、従来から筋ジストロフィーの診断に用いられている血清クレアチニンキナーゼ濃度(CK)を用いた場合のAUC値は0.75であり、尿中N-Titin濃度を用いた場合の方が、筋ジストロフィーを高い精度で区別できることが示唆されています。
ICU-AWは、集中治療室等での重症患者の治療中に発生する筋力低下などの症状を呈する神経筋障害です。発症率が高い割に、早期発見が難しいとされています。上記表に記した幾つかの論文において、尿中N-TitinがICU-AWの患者を見つけ出すバイオマーカーとして有用であることが研究報告されています。
論文(PMID: 33030965)では、N-TitinとCKのAUC値(ICU-AWの患者を見つけ出す精度)が比較されています。尿中N-Titinクレアチニン補正値を用いた場合のAUC値は0.81であり、血清中CKを用いた場合は0.65でした。この場合も、尿中N-Titinを用いた場合の方が、ICU-AW患者を見つけ出す精度が高いことが示唆されています。
以上のとおり、尿中N-Titinは、非侵襲であり、かつ精度が高いバイオマーカーとして、筋障害/筋萎縮を呈する様々な疾患または生理状態の研究に活用できます。
ただし、本バイオマーカーには更なる研究が必要であり、臨床的意義は確立されておりません。
当社ではN-Titinを定量するキットを豊富に取り揃えております。詳しくはこちら
皆様のご研究にお役立ていただけますと幸いです。
論文情報はこちら
Keyword: Titin, Ntitin, Connectin, sports medicine, cardiac disease, NAFLD, sarcopenia and frailty
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