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製品関連2022/02/08
早産児におけるCM(カイロミクロン)の特性

本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。

神奈川工科大学 健康医療科学部 教授 岡田 知雄 先生らは、正期産児(在胎37~41週、74名)と早産児(在胎29~36週、59名)の133名を対象として「早産児におけるCM(カイロミクロン)の特性」について評価しました。
この論文では臍帯血および空腹時静脈血(生後1カ月時点)のCM中のTG/TC比を分析しています。
この結果、早産児では正期産児に比べて臍帯血のTG/TC比が有意に低く、早産児と正期産児はともに1カ月間でTG/TC比が上昇しますが、依然として早産児では正期産児に比べて有意に低かったと報告しました。
早産児は子宮内で脂肪を吸収しCMを分泌することができますが、CMのリピデーション機能は十分に発達していない可能性があり、生後1ヶ月でもその未熟さが残っていると考察されています。
本論文は早産児のCMの脂質組成を分析した初めての報告であり、早産児のCMのリピデーション障害がすでに臍帯血で明らかであることが示唆されました。

詳しくは下記よりご参照ください。
Seimiya A, Okada T et al. Characterization of chylomicron in preterm infants. Pediatr Int. 2019 Jan;61(1):63-66.

本論文では、CM-TGとCM-TCの測定に、当社GP-HPLC法によるリポ蛋白脂質分析(LipoSEARCH🄬)が使用されています。

CM(カイロミクロン)について
CMは小腸から吸収された脂質を運搬する外因性リポタンパク質です。小腸上皮細胞で構成されたCMはリンパ管に分泌され、胸管を経て大循環系に入ります。大循環系に入ったCMはHDLからアポC群を獲得し、CMに含まれるTGはLPL(リポタンパク質リパーゼ)による加水分解を受けてFFA(遊離脂肪酸)を生じます。FFAは心筋細胞などの末梢細胞のエネルギー源となり、また、脂肪細胞に取り込まれてTGとして貯蔵されます。
CMは食事由来のエネルギー源である脂質を供給する重要な役割を果たしています。

皆様の研究活動にお役立て頂ければ幸いです。

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