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- 製品関連2025/06/13
- 【論文紹介】尿中N-Titin濃度 - 重度サルコペニアとダイナペニアとの関連性

島根大学医学部付属病院 栄養サポートセンター センター長 准教授 矢野彰三 先生らの研究グループは、Shimane CoHRE Study(島根コホート研究)の健康診断受診者445名(年齢75.3±8.4歳、非サルコペニア403名、軽症サルコペニア23名、重症サルコペニア19名)を対象に、骨格筋量(SMI)、筋力、身体能力、尿中N-Titin濃度について調査しました。
サルコペニアは、加齢が原因である一次性サルコペニアと、病気や栄養失調などの加齢以外にも原因がある二次性サルコペニアに分類できます。いくつかの論文により、二次性サルコペニアと尿中N-Titin濃度との関連が示されておりますが、一次性サルコペニアと尿中N-Titin濃度との関連を調べたのは、私たちが知る限り本調査が初めてとなります。
本調査の結果、尿中N-Titin濃度が重度サルコペニアおよびダイナペニアの独立した決定因子であり、これらの生化学的マーカーとして有用であることを初めて報告しました。
全445名の尿中N-Titin濃度の中央値(四分位範囲IQR)は4.66(2.91-8.37)pmol/mg Crであり、男女差は認められませんでした。尿中N-Titin濃度はSMIと有意な相関は認められませんでしたが、歩行速度とは有意に負の相関を示し(r=-0.205、p<0.001)、境界レベルではあるものの握力とも負の相関を示しました(r=-0.093、p=0.051)。
尿中N-Titin濃度(IQR)をサルコペニアの重症度別に比較すると、重症群では有意に高値(p<0.01 vs 非サルコペニア群、p<0.05 vs 軽症群)を示しました。
非サルコペニア群 (403名):4.60(2.84 - 7.87)pmol/mg Cr
軽症群 (23名) :4.36(3.12 - 7.32)pmol/mg Cr
重症群 (19名) :8.68(4.74 - 11.70)pmol/mg Cr
非ダイナぺニア群 (310名):4.3(2.6-7.1)pmol/mg Cr
ダイナぺニア群 (93名) :6.0(3.5-9.9)pmol/mg Cr
詳細は下記原文をご参照ください。
本研究論文では、弊社のELISAキットが使用されています。
・27900 Human Titin N-Fragment (Urine) ELISA Kit - IBL
(現在、認定検査試薬 29501 N-Titin測定キット-IBL を販売しております。)
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・27604 Mouse Titin N-Fragment (Serum) ELISA Kit - IBL
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抗体
・10425 Anti-Titin-N (144A2) Mouse IgG MoAb
・10423 Anti-Titin-N (53A1) Mouse IgG MoAb
■Shimane CoHRE Study(島根コホート研究)
島根大学の地域包括ケア教育研究センターによる長期的な健康調査です。
■サルコペニア
主に加齢によって起こる筋肉量の減少および筋力の低下を示します。この状態になると、日常生活の基本的な動作が難しくなり、転倒のリスクが高まるなど、健康に影響を与えることがあります。
■ダイナぺニア
加齢に伴う筋力低下を指します。サルコペニアとは異なり、筋肉量の減少は伴わず、筋力のみが低下する状態です。
皆様のご研究にお役立ていただけますと幸いです。
Keywords: N-titin, Titin, Sarcopenia, Dynapenia, Shimane CoHRE Study
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抗体関連事業本部 営業部
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Email: do-ibl@ibl-japan.co.jp
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